言葉の力を育む ― 読書の時間を、未来の力に

文部科学省は「読書は国語力を構成する『考える力』『感じる力』『想像する力』『表す力』『国語の知識等』のいずれにもかかわり、その基盤となる“教養・価値観・感性”は、生涯を通じて育んでいく極めて重要なものである」と示しています。

実際に小学部の国語授業をしていると、登場人物の気持ちを想像して書く問題や内容を要約する問題になると、正答率が下がる子が少なくありません。こうした力をつけるためにも、日々の読書体験は欠かせないと感じています。

保護者の方からは
「どうしたら本を読むようになるでしょうか?」
「どんな本を選べば本好きになるでしょうか?」
とよくご相談をいただきます。夏休みには学校から課題図書の案内がありますが、いざ普段の本選びとなると迷われる方も多いようです。さらに、大人が“良い本”と思って手に取ったものが、子どもにとって“今、読みたい本”ではないこともあり、本選びの奥深さを日々感じています。

そこで、一統ゼミナールでは、市内小中学校・蒲郡図書館で長年司書として勤務されてきた方にご協力いただき、学年ごとに最適な本を選び、内容紹介や読解のポイントをわかりやすくお伝えしています。

夏休みには、読んだ本をもとに読書感想文を書き、自分の心が動いたことを文章で表現する練習をしています。


月1回の「読書会」と「作文・読解授業」

国算英コースの皆さんを対象に、月1回を目安に「読書会」「作文・読解授業」を行っています。
この読書会では、おすすめの本を読み進め、心に響いた場面や大切だと感じた箇所をまとめ、あらすじや感想を書きます。最後には仲間の前で発表(プレゼン)を行い、将来求められる「自己表現力」や「プレゼン力」を育みます。

グループで一冊の本について意見を交わすことで、多様な視点に触れ、物語をより深く味わうことができます。こうした体験が「考える力」「感じる力」「想像する力」「表す力」のすべてを鍛え、全教科の土台となる国語力の養成につながります。


本を通して、親子の時間をより豊かに

私自身、幼稚園や小学校の図書室で読み聞かせを行う図書ボランティアを続けており、親御さんが本を楽しんでいる家庭では子どもも自然と本好きになることを実感しています。子どもが選んだ本を親子で一緒に読み、その感動を語り合う姿はとても素敵です。学校の図書室でも、新しい本の入荷を心待ちにしている子どもたちの姿があり、その多くは借りた本を家庭で親子とシェアしています。


子どもたちに届けたいこと

一統ゼミナールに通う子どもたちが、たくさんの言葉と出会い、さまざまな出来事に感動し、自分の言葉で気持ちを伝えられる――そんな経験を積み重ねてほしいと願っています。
豊かな語彙力と感性を持ち、自分らしい言葉で未来を切り拓いていける子どもたちへ。読書がその扉をひらく手助けになれば幸いです。

作文読解授業 担当講師

一統ゼミナール 副塾長 前田麻衣子